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企画主旨 苦い海、海の星、照らすものを意味する聖なる名マリア。マリアの概念は恩寵に満ちた海であり、その受難により苦く、人々の永い航行を導く一つの星であるというものでした。さらに現代芸術の歴史の中で、生の配分者であり根絶者という様々な女神神話が、時代に対応した言葉で語り直され、創造と破壊の象徴であるそれ自身を反復するかのように、作家達によって新しい世界の表出が企てられてきました。 例えばコンセプチュアル・アートの先駆者マルセル・デュシャンにより、1923年に未完成のまま放棄された通称「大ガラス」、「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」。作品は、聖処女被昇天の寓話であるとも解釈される一方、そのレディメイドの作品群にも脈打つアイロニーの運動の、もっとも高い地点における表現であったと理解されています。概念(concept)にはそもそも、マリアの懐妊のように、受胎され、孕まれたもの(conceptus)という意味があります。 今回歴史的建造物である早稲田スコットホールギャラリーで開催される展覧会とホールでのイベントは、複数のアーティストがそれぞれに概念を孕み、交差しながら新しい意味を創出する機会となります。現在の日本に生きるアーティストの現実の中から生まれてくる表現は、イメージ、形態、音、語り、踊りを通して形成される、特異なダイアグラムとなることでしょう。 |
Statement "Progressive Maria", explores relationships between conceptual art rooted in Western history and new works made by artists based in Japan, and the realities reflected by each. The word "concept" derives from "conceptus", as in the Immaculate Conception —conception without physicality— that resulted in Maria's pregnancy, according to the Christian Bible; using thsi idea as an inspiration, these artists use different media and original practices to produce new conceptual diagrams in dialogue with the historical Waseda Scott Hall building. |